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ニューオリンズまでの長い道のりのお話の続き

ニューオリンズまでの長い道のりのお話の続き

そぼ降る雨に濡れる庭の小鳥たちが震えて寒そうな朝です。
皆様いかがお過ごしですか?

昨日のお話の続きを書いていきたいと思います。
前回のまとめ
ワシントンD・Cでニューオリンズへの国内線乗り換えで悪天候の為時間変更が重なる
          ↓
何の説明もなく長時間待たされる。それについて航空会社側が乗客に対して逆切れ
          ↓
ようやく飛行機の準備ができ急いで乗り込むように指示される

の続きです。
その日は12月23日。
クリスマス休暇を家族で過ごすため、私たちのほかにもたくさんの家族連れが待っていました。
息子君より小さい子供たちも何人かいて、待ち時間が長すぎてもう限界・・!って感じで
親も子もぐったりしてました。

さていよいよゲートが開き皆乗り込み始めました。
もう疲労が限界なので誰もしゃべりません。
そして機内に入ると
三時間以上待たされた私たちに

「速やかに乗ってください。急いでください。」
というアナウンスが。
as soon as possible (できるだけ早く)

というアナウンスが聞こえたときはさすがに皆
「UNITED航空は面白いなあ」と笑ってました。苦笑と言うか失笑?
もう早く飛んでくれることだけを願っているので黙々と乗り
黙々とシートベルトを締め、沈黙の中機内の乗客全員が
ひたすら離陸を待っていました。

ところが
10分経過
(赤ちゃんぎゃん泣き)
20分経過
(誰もしゃべらない)
30分経過
(さっき俺たちにいそげって言ってたよね?この人たち。一体どうなってんの?
という声が聞こえてくる)

遂に何の知らせもないまま一時間経過。
息子君<「何で出発しないの?僕早くアメリカ行きたいんだけど。」

というもっともすぎる質問に全く答えられず呆然とする両親。
そこへ機長からのアナウンスが。

「これからUNITED航空のカスタマーサービスが来て皆様にお話があります。」
と。

ここで二回目の

「What the f***!!」
が機内に響き渡りました。
「オーマイガー。アンビリーバボー!」
も結構聞こえました。

そしてUNITED航空のカスタマーサービスの職員が機内へ。
驚きの事実を告げたのです。

「当機は重量オーバーです。このままでは飛べません。
 ボランティアで誰か6人降りてください。」
と。

うわあああという叫び声やら溜息やらが聞こえました。
なんという理不尽なこの対応。
本当にアンビリーバブルです。
機内は以前と変わらず沈黙を守っていますが
そこに言いようのない緊張感が加わりました。
なんなの、この何にも悪いことしてないのに
航空会社から脅され、他の乗客との心理戦みたいなってるこの状況。

と私は混乱しました。
と同時に、
今!この瞬間に私の遭遇している状況に対する感情と意識が鮮やかなうちに
教室ブログに書きたい!という強い衝動に駆られましたが
結局こんなに時間がたってしまいました。
あの時の重苦しい空気と狭い機内に閉じ込められたストレスは
長旅で消耗しきり、鈍っている私の感性にも鮮烈でしたが
時間と共にその衝撃がかなり薄れてしまいました。
直後にブログ更新できたらもっとリアルに書けた気がするので
残念です。

とにかくですね、航空会社から6人降りるよう指示された乗客の私たち。
しばらく沈黙のまま時間が経過しましたが
なんと大学生が二人自分で決めて降りたのです。
拍手喝采。
一人の男の子は「僕は小さな子供もつれていないしビジネスで急いでいるわけでもない。
クリスマス休暇で実家に帰るのだから一日遅れてもしょうがないよ。僕より優先度の
高い人がいっぱい乗ってる。」

と言ってました。
偉い。偉いぞボーイ!
そして二人が去った後
再びアナウンスが。
このままでは飛べません。
まだ降りてもらいます。

UNITEDは今からボランティアで降りた人に500ドル支払います。
と。
そのとき私は聞いたのです。
前方のビジネスクラスのシートに座っていた50代のおじさんが
「Oh,Yeah Baby!」
まってました。と言ったのを。
チップを20ドル自分は付けるよと言ったのを。

「貧乏人は500ドルと自分の20ドルのチップを受け取ってさっさとおりてくれ」
ということです。
アメリカの金持ちよ、恥を知りなさいね!と私は思いました。
そしてなんかわかんないけど泣きそうになり、一刻も早くこの場から離れたいと思いました。

ここで私は考えました。
フライドポテトのナチョスしか食べていなかったので、気持ち悪くなっていたし
三島を出てから横にならず一体何時間経過しているのだろうということを
考えると寒波襲来の悪天候の中揺れる飛行機で行くよりも
もうそうそうに降りてビジネスホテルで今夜は一泊し
身体を休め、明日仕切り直した方が良いのではないかと。
それほど疲れていたのです。
それに私たちのほかに三組ほどいる家族連れは皆
子どもが息子君より小さく、疲れ切っている。
私たちが降りて飛行機がすぐに飛ぶなら
彼らはやっとこの緊張状態から解放される。
私たちも明日ミーティングがあるわけじゃないし、ニューオリンズ到着が
一日遅れても何かが決定的に困るわけじゃない。と。

ブライアンに小声で打診したところ

ressunnplan<「あかねちゃん。言ってることは分かるよ。でもね、
           彼らが嘘ついてたらどうする?
           500ドルもホテルも、明日のチケットも
           全部保証はないんだよ。
           今までの対応を考えたら全くUNITEDの言ってることは
           信頼できないよ。

と否定されました。

「大事なのは人を信じる心」っていつも言ってるじゃんかー
と思いましたが、確かに彼らは始めからずっと乗客に真実を告げず欺いていたのです。
当たり前なのですがブライアン、アメリカ人なのだなあと思いました。というか
私の社会に対する認識が甘いのでしょうか?

ブライアンに拒否されたので私は黙りまたおとなしく待っていました。すると
又アナウンスが。

「良いですか。これから私たちがあなた方に5分あげます。その間に
 降りるかどうか決めてください。だれもおりない場合はこのフライトキャンセルします。」

と。
乗客に対する脅しです。
私はもう流れに任せることに決め、事の成り行きを見守っていましたが
5分たっても誰も降りず
そのまま時間が経過。
そしてどれくらいたったでしょう。

突然機長から
「これから当機は離陸します。」
というアナウンスが入りました。
訳が分かりません。
そして
「当機機長およびフライトアテンダントは上の指示に従っていたのみです。
私たちに決定権はありません。これから当機は目的地に向け
出発しますが、どうか乗組員には親切にしてください。」
と言っています。
「Please,be nice!」
と言ってました。自分たちにはよくしてねと。
まあ確かに彼らも被害者の一部ではあるのかもしれないけどそれにしても。

なんだかんだの末誰も降りずに飛行機は離陸しました。

フライト中も何が起きたのか私はよくわからず混乱していました
とりあえず飛んでいるのだからもう何も考えるのはよそうとおもいました。
いよいよ機内の窓からニューオリンズの街の明かりが見えたときの
安堵感と言ったら!!!

着陸直前でのアナウンスでは機長が
「飛行機の遅れで皆様に多大なご迷惑をおかけして
申し訳ありませんでした。
(おおお。謝ってる!と感動する私)
これからUNITED航空の苦情メール受付のアドレスを
読み上げます。皆様どうぞそちらへご意見をお寄せください。」
と言ってました。
こんなジョークがいえるところが又アメリカならではでしょうか。
かくして成田空港より16時間後にはニューオリンズに到着する予定だった私たちですが
26時間くらいかかりました。
今まで少なくない数の飛行機の旅をしてきた私ですが
あまりの対応のひどさに本当に驚きました。

でもなんとか無事に着いたのです!
良かった!!!!

 

 

 

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